フォークが負けた!?オートミールでレアチーズケーキのタルト生地作りに挑戦
【南米の食品規制チャレンジ研究室】
この研究室では、世界の食品規制を参考にしながら、おいしさと未来の体づくりの両方を考えた料理を研究しています。
前回、オートミールでクッキーを作ってみたところ、思った以上に美味しくできました。
「これならタルト生地にもなるんじゃないかな?」
そんな軽い気持ちでレアチーズケーキを作ってみたんです。
ところが……
フォークが負けちゃったんです(笑)。
「えっ?」
思わず笑ってしまうくらい硬い。
もちろん食べられます。
でも、レアチーズケーキの土台としては違います。
サクッと割れてほしいのに、ガチガチ。
そこで今回のテーマは一つだけ。
どうしたら、オートミールでサクサクのタルト生地が作れるのか。
その答えを探すことにしました。
まずは素直に材料を変えてみます
最初に試したのは、オートミール80g、米粉50g、おから50g、バター16g、水大さじ4。
焼き上がってすぐに食べると、
「おっ、いいじゃない。」
少しホロッとしていて、パンのようなやさしい食感です。
これは期待できそう。
ところが……
冷めてからもう一度食べると、
ガリッ。
「えっ? 同じクッキー?」
焼きたてとはまるで別物です。
とにかく硬い。
ハッキリ言って前回のクッキーより硬いかもしれません。
これはレアチーズケーキの土台には厳しそうです。
それならバターを増やしてみます
次は、
「油脂が増えれば、もっとサクサクになるはず。」
そう考えて、おからを抜いてバターを23gまで増やしました。
期待しながら焼き上がりを待ちます。
さて、どうだろう……
パキッ。
「あれ?」
やっぱり硬い。別のみで硬い
食感も思ったほど変わりません。
どうやら、バターを増やしただけでは解決しないようです。
今度はコーンスターチです
次は、
「ホロホロ感ならコーンスターチかもしれない。」
そんな予想で配合を40gに増やしました。
すると確かに少し軽くなります。
「おっ、近づいてきたかな?」
そう思ったのも束の間。
今度はクッキーの中に空洞ができています。
しかも少し粉っぽい。
悪くはありません。
でも、硬い
「あと一歩。」
そんな感じです。
だんだん面白くなってきました
ここまで何回焼いたでしょう。
最初は、
「タルト生地が作れたらいいな。」
くらいの気持ちでした。
でも何度も作っているうちに、
「あれ?」
ということが増えてきます。
バターを増やしても大きく変わらない。
コーンスターチを増やしても決定打にならない。
ということは……
もしかして、材料じゃない?
そんな気がしてきました。
こうなると、だんだん実験が面白くなってきます。
料理を作っているというより、
謎解きをしているような気分です。
発想を変えてみます
今まで私は、
オートミールへ最初に水を入れていました。
これが当たり前だと思っていたんです。
でも、
「もし順番を変えたら?」
そんなことを思いつきました。
そこで今回は、
まずオートミール100gへ米油大さじ3を加えます。
ここでしっかり混ぜてからそのあとに
米粉大さじ3、
水大さじ3を加えて練り、
最後にザラメ10gを混ぜて整形しました。
そして180℃で25分。
焼き上がったクッキーをひと口。
サクッ。
「あっ!」
思わず声が出るくらいいい。
今までと全然違います。
サクッとして、
そのあとホロッ。
これならレアチーズケーキの土台として十分使えそうです。
しかも驚いたのは、
材料を大きく変えたわけではないこと。
違うのは、
最初に水を入れたか。
それとも、
最初に油を入れたか。
たったそれだけでした。
本当に順番だけなんでしょうか?
気になったので、もう一度試します。
今度は米油をオリーブオイルに変更。
さらに米粉も少し増やしてみました。
結果は……
ほとんど変わりません。
ということは、
米油だからではなさそうです。
どうやら、
オートミールを最初に油でコーティングしたこと。
ここが一番大きなポイントだったようです。
もちろん、私は食品科学の専門家ではありません。
ですから断定はできません。
ただ、
オートミールは最初に水を加えると、β-グルカンの働きで粘りが出やすくなります。
一方で、最初に油をまとわせることで、その粘りが抑えられ、サクサクした食感につながったのではないか。
そんなふうに考えています。
もちろん、これはまだ仮説です。
でも、この「なんでだろう?」を考えている時間が、とても楽しいんです。
今回、一番良かった配合はこちらです
オートミール100g
米油またはオリーブオイル 大さじ3
米粉 大さじ3~4
水 大さじ3
ザラメ 10g
180℃で25分。
焼き上がったクッキーを家族に食べてもらうと、
「これ、おいしいね。」
という言葉が返ってきました。
もちろん、本格的なタルトとは違います。
でも、
オートミールでここまでできるとは思っていませんでした。
私自身も、「これはレアチーズケーキの土台として十分使える。」
そう感じています。
そして、ここからが研究室の本番です
実は、この研究はここで終わりではありません。
むしろ、ここからがスタートです。
このタルト生地を作りたかった理由は、
おいしいレシピを増やしたかったからだけではありません。
料理は今日のお腹を満たします。
でも同時に、
未来の自分の体も作っています。
南米では、糖分の摂り過ぎや超加工食品の増加が、医療費や国の働き手にまで影響すると考え、砂糖税や警告表示、超加工食品への課税など、さまざまな取り組みが進められています。
日本ではまだあまり話題になりませんが、
「世界では、そんな考え方もあるんだ。」
そう知ったとき、料理を見る目が少し変わりました。
だから、この研究室では、
「おいしい。」
だけでは終わりません。
「その料理は未来の体という視点ではどうなんだろう?」
そこまで考えてみたいと思っています。
次回は、このタルト生地を南米各国の食品規制の基準に当てはめながら、どんな評価になるのかを一緒に見ていきたいと思います。
料理って、本当に面白いですね。












